少し話題になっている「あたし おかあさんだから」という歌。
その歌詞を何気なく読んでみると・・・
(歌詞画像引用元:https://pbs.twimg.com/media/DVKMxPOVAAIZG18.jpg)
「あたし、おかあさんだから」を繰り返しながら、過去の自分と今の自分を振り返り、「おかあさんになれてよかった」で締められています。
これに対して、世間の反応は
「これを聞いていると悲しくなってくる」
「『おかあさんだから』を押し付けているよう」
「こどもに聞かせたくない」
等々、好意的な感想や共感よりも、非難や反論が目立っているようです。
「あたし、おかあさんだから」と思って、こどもに合わせ、昔の自分とは違う自分になりきっている『おかあさん』。
朝5時に起きて、ネイルもやめて、ライブにも行かずにいる。
そんな様子に「自分よりもこどもを優先することで、無理をしている」ように感じられるからかもしれません。
確かになぁ・・・。
「おかあさんだから」と自分に言い聞かせているみたいに取れなくもない。
もし無理をしている人自身だったら、自分のつらい気持ちを言われるのは、あまり嬉しいことではないのかもしれない。
でも、私がこの件に関して面白いなと思ったのは、「あたし、おかあさんだけど」という表現でメッセージを送る人が沢山いたことです。
「おかあさんだけど、ライブに行くよ」
「おかあさんだけど、ネイルしてる」
「おかあさんだけど、自分の好きな服買ってる」
『自分は確かに、おかあさん。
でも、好きなこともいっぱい、してるんだよ』
そんなコメントを見ているうち、歌詞を受けた沢山の人が、「歌の続き」を産みだしているように思えてきました。
『あるときは、こどもと一緒に電車の名前を覚え、おいしい料理をつくる“おかあさん”』
これが、一番目の歌詞。
そして
『あるときは、ネイルをして、おしゃれして出かける。好きなことをいっぱいする“おかあさん”』
これが、一番目の歌詞を受けて生まれてきた、二番目の歌詞。
歌詞には書かれていないけれど、「おかあさん」には続きがあるのかも。
決して、子育てをするから何かを諦めたり、無理したりしてる訳じゃない。
こどもたちが大好きな「おかあさん」であり、自分の好きなこともしている「一人の女性」なんだと。
いいね、いいね!(笑)
私もこどもが生まれて、一緒になってアニメを見るようになったし、おやつを食べるようになったし、料理を沢山するようになりました。
そんな時間も楽しいし、大好きです。
また一方で、「こどもがいながらできる仕事」を考えるようになったし、バスの移動中に読める本を開拓するようになったし、たまに一人で出かける買い物ってこんなに楽しいんだ!とかみしめるようになりました(笑)。
こどもといるから、知れる世界がある。
そして自分の世界も、ちゃんと、大切にしている。
歌詞の反応を見ていくにつれ、私みたいに「実は好きなこと沢山してるんですけど・・・笑」という親たちが、たくさんいるんだ!と、逆に勇気をもらえました。
「あたしおかあさんだから」の歌詞は、それだけを聞くと、人それぞれに色んな思いが芽生える歌詞かもしれません。
作者の方も「応援のつもりでつくった」とおっしゃっているようですし、きっと、フルタイムで働く方や、男親、専業主婦、その人の立場でいろいろ違うんだろうと思います。
でもおそらく、どんな感じ方、どんな「おかあさん」であっても、それでいいのかもしれません。
世界にはたくさんの家庭があり、いろんな親たちがいる。
同じ「おかあさん」は、一人としていないのだから。